reportレポート

活動紹介
九州ブロック青年会 海外視察研修を開催

 2018年12月19日(水)~23日(日)、九州ブロック青年会は、海外視察研修を開催しました(主にマレーシアを視察)。  マレーシアは、人口3,000万人超、経済成長率は5%超で堅調に推移を続けており、2020年までに先進国入りをめざしています。  マレーシアの首都、クアラルンプールに所在する高齢者施設の恩恵之家、障害者施設のUV(ユナイテッドボイス)という当事者会が運営する作業所等を視察しました。 -------------------- 【恩恵之家の視察】  マレーシアでは、高齢者施設における介護ではなく、家族が自宅において介護することが一般的です。  同施設の収入として、新聞で募集している寄付が多くを占めており、その他ドーナツやクッキーなどの販売収入、婦人保護事業収入等があります。  施設の利用者は、基本的に60歳以上で独身の健康な方が入所対象になっており、サービスプログラムなどは無く、本人の意向や意思に基づき、サービスを提供しています。スタッフと利用者が一緒になり、お茶だし対応等おもてなしをする姿が印象的でした。 【作業所の視察】  UVが運営する作業所で、スタッフの方がたにマレーシアの社会保障・社会福祉の現状と課題等について説明いただいた後、作業所での作業の様子や、利用者がアーティストとして創りあげた作品等を見学しました。  同作業所では、主に知的障害者の方が作業をしています。同施設の収入として、作品の販売収入やイベント収入等が多くを占めており、公的機関からの支援はおおむね全体の10%程度です。  スタッフの方がたは、「たくさんの当事者会が立ち上がって欲しい」という想いをもっており、新設された作業所のサポート等も実施しているとのことでした。 --------------------  視察を通して、十分な社会保障制度が確立されているとは言いがたい状況のなかで、国の支援に頼らず、独自の活動で収入を確保し、施設を運営していることに感銘を受けました。  このように、他国の社会保障・社会福祉に触れ、ベンチマーキングすることで、より多角的な視点を養う重要性をあらためて感じました。  日本の生産年齢人口がさらに減少するなかで、人手不足は社会福祉だけでなく、日本全体の課題であり、さまざまな人材の活用、働き手の個性を考慮した職場環境の整備、新たな技術革新の活用等に向けた対応を本格的に考えていかなければならないと強く認識することができました。

(報告・大分県青年会 山本 寛泰、佐賀県青年会 田口 桂樹、福岡県青年会 渡辺 紘一郎)

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